Hanazato Laboratory

Introduction

Welcome to Hanzato's Laboratory!

  花里研究室のウェブサイトにようこそ!日本の社会もスクラップ・アンド・ビルトの時代が終わりつつあり、良好な建築ストックを形成していく時代になりました。地震工学・建設工学は経験工学です。長い間、地震や台風に耐えてきた歴史的建造物には、優れた性能をもつものも少なくありません。もちろん、建物を大切にされてきたことも忘れてはなりません。修復の歴史も重要です。私達の研究室は、このような社会的な背景をふまえ、海外および国内の建築遺産の保存修復に関わる研究を主として取り組んでいます。また、国際協力も研究活動の大きな柱です。文化遺産国際協力とともに、途上国の人々を地震災害から守る研究も進めています。そして、これらの研究を単独で実施するのではなく、海外および国内の大学や研究機関と共同で実施しています。研究室は外に開かれています。皆さんの来室をお待ちしています。


About Us

 2005年9月に建設会社から着任して
今夏で10年になります。2015年3月までの卒業生に現役を含めると約60名です。卒業生もそれぞれ社会で活躍しています。研究室の卒業生のネットワークも充実していくでしょう。

 さて、当研究室の研究のキーワードは融合です。構造分野だけではなく、歴史分野や保存工学などとの学際領域の研究を国内外の研究者・技術者と共同で進めています。研究の柱のひとつは、歴史的建築物の構造修復に関わる研究です。とくに、当研究室では、海外の世界遺産建築物の耐震性を国際共同研究で進めています。ギリシャ・パルテノン神殿、世界遺産ビザンチン教会、オシオスルーカス修道院、2006年インドネシア・ジャワ島中部地震で被災したプランバナン寺院、2003年イラン・バム地震で崩壊した中世歴史都市アルゲバムなど、研究成果だけではなく文化遺産国際協力にも貢献していると思います。学術交流では、大学院の短期留学制度を利用して、すでに3名の留学生を派遣しています。また、インドネシアでは、世界遺産級のニアス島伝統木造集落の耐震調査を筑波大学などと共同で始めています。国内の歴史的建築物の耐震調査および補強検討も重要な柱です。民間の会社での実務経験を活かして、文化財建造物の保存修復事業において具体的な構造修復設計に役立つ調査研究を行なっています。このような研究に学生が携れば、その成果が具体的に役立つことを実感し、有意義な研究を経験することでしょう。もうひとつの柱は、途上国の地震防災です。途上国では大地震が発生する度に組積造住宅が倒壊し、多くの人的な被害が出ます。この途上国地震防災については、防災科学技術研究所と共同研究を進めています。

 五重塔の耐震・耐風研究も着任以来続けてきています。千葉県市川市の重要文化財法華経時五重塔では、地震とともに耐風観測を行なっています。東京電機大学と共同で風による揺れを正確に測定するためLEDを用いた先端技術の観測機器を設置しています。また、伝統的木造建築物の新しい制振技術の研究開発を産学共同で行っています。心柱制震工法もそのひとつで、福岡市の東長寺五重塔で実際に制震デバイスを設置し、地震観測を行なっています。

 2011年3月の東日本大震災では多くの文化財建造物が被災しました。その修復支援活動も行っています。

・2010年度建築学科建築企画設計(卒業設計)で、花里紗知穂さんが最優秀賞(中賞)を受賞しました。
・2014年度修士課程修了の左高奈々絵さんが、優秀な業績に対して学長賞を受賞しました。

「2015年度の研究テーマ」と全国国立大学工学系長会議ホームページ「なんでも探検隊」に掲載された活動を紹介します。